先日とある仕事で九州に出張することになり、隙間時間を使って大分県日田市に寄り道してきた。というのも「進撃の巨人」の作者である諌山創先生の出身地が大分県日田市の旧大山町にあって、町おこしの一環で町中のいろいろな場所が進撃とコラボしているのだ。
進撃の巨人 in HITA https://shingeki-hita.com
僕が好きな漫画ナンバー1は長年、「進撃の巨人」と「風の谷のナウシカ原作」が同率1位ということになっている。進撃は、リアルタイムで別冊少年マガジンの連載を追いかけていた。マジで神漫画である。神。
飛行機出発までの隙間時間は約2時間。その2時間を全力で楽しんできた。
まずは進撃の巨人 in HITA ミュージアム。道の駅と一体化された施設。
入ってみると原画がずらり。少年マガジンの原稿用紙に書かれていて、印刷された単行本では味わえないリアリティがすごい。
単に展示されているだけじゃなくて、原画ごとに諌山先生からの一言コメントが添えられているのがとてもよかった。作者はこういうことを考えていたのか~と考えながら楽しめた。
そして原画展示の先にあったこれ、このデスク、これを見ていたら、いい歳して1人でマジ泣きしそうになった。というのも、先生が漫画を描くために使っていた思い入れのデスクが丸々寄贈されているのである。22巻執筆当時まで使っていたというのだから、相当な年月、先生が座っていたことになる。
写真じゃ伝わらないんだけど、めちゃくちゃリアリティがあった。「ああ、進撃はこのデスクの上でペンを走らせて描かかれたんだ」と思えた。原画を見るよりもずっと心に響いた。決して高価なデスクじゃないし、よくあるステンレスの棚だし、本当に先生の下積み時代を切り取ったかのような雰囲気だった。この展示企画した人、素晴らしい。
それと、展示物の写真撮影OKってのが素晴らしい。こういう施設は運営のことを考えたら撮影禁止にしようという意見があってもおかしくなさそうだけど、そのあたりも諌山先生の思いがあったりするのかな、とかいろいろ考えながら楽しめた。ちなみに、上記の作画デスクは撮影だけじゃなく、なんと座るのもOK。いや、恐れ多くて座れなかったけど。
ミュージアムを出て次に行ったのは、大山町のダムにあるこの銅像。エレン・ミカサ・アルミンがダムを見上げているやつ。思わず僕も横に立って写真撮影。この写真、近くにいた中国人観光客に撮ってもらった。その中国人もめちゃくちゃ進撃の巨人が好きらしく、これを見るために中国から来たらしい。それ聞いてまた感動した。諌山先生、世界中の人間の心を動かしてらっしゃる。偉業です。神。
さらに次に行ったのはミュージアム 別館 ANNEX。
こちらは絵の展示のみ。各巻の名シーンを諌山先生が選んでコメントしたものがずらりと並んでいた。
僕が進撃で一番好きなセリフ「オレはガッカリした」がちゃんと取り上げられていた。むちゃくちゃリアルなエゴの描写で、こんなところまで描き切れるのがすごい。
ANNEXの最後には長時間インタビューがディスプレイで流れていたんだけど、時間がないのでほとんど見れずに退出。残念。
ミュージアムANNEXを出て最後に寄ったのは、諌山先生が高校生の頃に皿洗いのバイトをしていたという焼きそば屋さん「想夫恋」。
パリパリに焼かれた焼きそばの食感と、大量のモヤシがとてもおいしかった。諌山先生もバイトのまかないで食べていたらしい。これも作者のリアリティ。
展示されていたデスクに始まり、先生なじみのお店とか、大山町の雰囲気まで、全部がリアルに感じられて、滞在時間2時間があっという間だった。「何かの作者ゆかりの土地を訪ねる」っていう経験が、そもそも人生初だったかもしれない。そして涙もろくなったのは年のせいかもしれない。。。
で、帰りの飛行機の待ち時間、熊本名物の馬刺しと地ビールをいただいて、出張終わり。
ごちそうさまでした。
ちなみに当ブログでの進撃の巨人の初出は以下、2014年だった。つまり10年前。10年後。残りの人生、大切に生きようと誓うのだった。