趣味とビジネスの違い

最近、めっきり面白いものを作ることに興味が無くなった。
ここ2,3年間、面白いものを作って、いろいろメディアに取り上げられてきた。
でもそこで学んだことは、そのやり方では、もう自分は成長しないだろうということだ。
なぜなら、自分が「ビジネス」だと思って取り組んでいた、Webとメディアでのやり方は、
つまり世の中一般で言う「趣味」だった、ということに気が付いたからだ。

だから、企業を決めた去年の夏ごろからは、その土俵ではなく、何か新しいことを勉強して、
Webとメディアはあくまで小手先にして、「ビジネス」ができる分野に進出しようと決めた。
自分のキャリアの否定も含んでいたし、新しい分野だから右も左も分からない。
当然、武器は技術力しかないけど、その技術もゼロから学ぶ必要がある。
面倒臭さとか不安だらけだった。でも、それをやらないと起業はうまくいかないだろうと、
自分自身の性格となりゆきを直視して未来を想像した。

自営業は、現実を常に直視しなくちゃ生きていけない。
しかも単なる直視じゃない。
普通なら目を背けてしまうような、自分の奥底の、内面的な弱さを直視する必要がある。
今の自分が5年後も同じ状態だと想像して、ゾッとすれば、不安をバネに自らを変化させる努力が必要だ。
その想像に耐えられなければ、成長はない。今の自分のままだ。
今の自分は、妻や親が倒れて、自分が病気をしたら、もう誰も助けてくれない。
周囲が倒れるのも自分が病気するのも、確実に来る未来だ。夢じゃない。ならば用意しなくちゃいけない。

趣味とビジネスの違いはここにある。

趣味は、現実を直視しなくて出来る範囲のことだ。
だから楽しい。けれど儲からない。楽しいことは多くの人がやっているから。

ビジネスは、現実を直視しなければできない。
だから辛い。けれど儲かる。辛いことは多くの人はできないから。

前職の取締役が、経営はアスリートに似ているという話が、なんとなーーくわかってきた気がする。

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