終着点が近い。
記憶が戻った8年前、結局あの後、先生から宿題は受け取ってもらえなかった。結局自分の中には腫瘍が残り続けた。
8年経って、やっと僕は学校に帰れないことを受け入れられるようになった。そこで、最後にもう一度、宿題を受け取って欲しいという手紙を先生に渡すことにした。手紙には、20年以上前の自分の気持ち、ここまでのどんなことを思って生きてきたかまで、全部吐き出した。
客観的にみて、本当に、たいへん身勝手で、子供のような、みっともない手紙になった。でも、このみっともないところを先生に見られたくないがために、20年以上の時間がかかった。
最後までまた僕のわがままを押し付けることになるけど、それすらも、もう別に構わない。先生のパンドラの箱を開けてしまうかもしれないけれど、構わない。先生には、どうか許してほしい。