ここまでの人生、セルオートマトンについて「ピコピコ動くライフゲームってやつでしょ」ぐらいでスルーしてきた。が、ふとしたきっかけで1次元セルオートマトンのルール110がチューリング完全・カオスの淵を生み出すことを知り、明らかにこれはヤバい匂いあると感じた。なんでもっと話題にならんのだよこの話。情報科学で延々生きてきてこれを熱く語るヤツに出会わなかったぞいままで。なんでだ。この宇宙はコンピュータシミュレーション上だとか言い出す人が出てくるのもわかる気がした。

まず、時間発展の軌道にミクロとマクロの両方の相が見えてるところがやばい。
次にルールの設定がやばい。ルール110は、バイナリコードで01101110 なんだけど、まずこれ白黒の生起確率が等価じゃない。白3の黒5で、アシンメトリー。なお、ルール110を白4黒4でシンメトリーにした 01100110 ルール102はクラス3でカオスになってスペクトラムは平坦、いわばミクロはカオスでマクロは秩序。アシンメトリーな110のほうに「構造」が現れる。その生起確率が対称じゃない。ここらへんがめちゃくちゃ臭い。対称性の破れを感じる。
そして、インパルス応答からの時間発展で定期的に現れるグライダーと、中心ではない、よくわからない角度で左下に続く、亀裂なような構造。やばい。外側の周期的な構造からは定期的にグライダーが中心に向かって亀裂構造に撃ち込まれる。これってライフゲームの「グライダー銃」みたいなもんじゃないの? インパルス応答にグライダー銃があるってヤバいでしょう。で、亀裂にグライダーが打ち込まれて干渉模様ができるんだけど、その結果がしばらく平衡にならずにマジで気持ち悪い構造を持って続く。

どこまで続くのこれ。平衡状態になるの、ならないの? みたいな疑問が沸く。
あと、外側の線の角度(光速みたいなもの)に対する、この亀裂の角度ってなんかのマクロな世界の定数に近似されてたりしない?

というか、これが対称性の破れで、白3黒5由来だとすれば、なんか素数との関連しそうじゃないかとさえ思える。宇宙の真理だけじゃなく「数」の真理くさい匂いある。相互作用対象が2つ(自分含めて近傍3)の場合だけの構造なのか、ライフゲームとかより高次の、もっと言えばこの宇宙がセルオートマトンだという人たちの量子数とか11次元とか12次元とかのもっと複雑なオートマトンの相互作用でも、ルール110と本質的に同じものなのか。純粋に「チューリング完全」と「宇宙」と「数」は同じものなんだろか。
このニュースとか、そういう話?
熱平衡化の問題は、一般的な形では解決不可能な問題であることを証明https://www.univ.gakushuin.ac.jp/about/press/27507.html
などなど。久々に楽しく勉強できました。